わたくしは、毎晩夜空を見上げる。

 遠い昔に出逢い、恋に落ちた人を想いながら、夜空を見上げる。
 あの人のために、涙を流す事はなくなった。
 それがわたくしの胸を少しだけ痛くさせるけれど。

 それでも、この瞬間だけは。
 あなたに恋をしていたあの頃のわたくしに戻って、あなたのことを想います。

 赤く燃える瞳。

 声。

 仕草。

 わたくしが知りうる限りのあなたの全てが、本当に大好きでした。
 今でも胸を張って言えます。
 幼い恋であったかもしれませんが、わたくしは真剣でした。

 ゼフェル様。

 あなたは今、わたくしの名を呼んで下さっていますか?

 わたくしとあなたの時間は重なっていますか?











end








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